最近の新築住宅の７０％は外壁がサイデイング貼りになっているという統計が有るようにサイデイングの

需要が大きく伸びています。昔の工法はバラ板貼り、ラス貼り、左官仕上げ、塗装仕上げという工程に

なっていました。サイデイングの場合は下地コンパネ貼り及び胴縁取り付けの上にサイデイングを

貼っていくだけの乾式工法になります。工程も少なく乾燥時間も不要のため工期、コストも安くあがり

まさに省エネ工法と言えるでしょう。賛否両論ありますが現状では大きくシエアを伸ばしています。

サイデイング材も大きく分けて３種類に分かれます。窯業系サイデイング、金属サイデイング、

樹脂サイデイングの３種類になります。その中でも窯業系サイデイングが最も使われています。

柄やデザイン、厚みの種類も豊富に揃っていますので自分好みの商品を選ぶことも可能です。

どんな建材にもメリット、デメリットが有りますので専門家の意見も聞きながら自分自身で勉強も

しながら判断しそして最近の傾向に流されるのがいいとも言えない事もありますので納得できる

知識を得てから判断することが大事です。

サイデイングの塗装工事には２パターンがあります。１つ目は色を付ける一般的な塗装です。

２つ目は色を付けず元々の色、柄を生かすクリヤー塗装になります。クリヤー塗装の場合は

サイデイング板が変色していないことが条件になります。クリヤー塗装は現状のサイデイングの

劣化を防ぐ役目が有ります。変色が始まっていたら色付け塗装の方が効果的だと思います。

素材によって１０年位で変色するサイデイングもあり１０年経過しても変色しないものもありますので

現状を業者によく点検してもらってどちらの工法で施工するのか判断された方がいいと思います。

この現場はクリヤー塗装で仕上げました。築１０年で変色も無かったのでフッソクリヤーを塗布しました。

新築の様な艶が出て綺麗に仕上がりました。クリヤー塗装も種類があり艶あり、艶消し、３分艶などが有ります。

塗装の前には高圧洗浄で汚れを綺麗に洗浄してから１日乾燥期間を置いてからの施工になります。

充分にサイデイング板を乾燥さすことがポイントです。洗浄の際に気を付けるもう１つのポイントは壁に

藻やカビが発生していないかの確認をしてください。藻やカビは高圧洗浄でも完全に除去できない

場合もあります。その場合は中性洗剤を水で薄めて柔らかいブラシでこすって完全に除去して

水洗いをしてください。薬剤などを使って強くこするとサイデイング自体を痛める事も有りますので

注意が必要です。

サイデイングも経年と共にクラックや膨れ等の現象が起きる場合が有ります。

原因は様々ですがクラックの場合はパテなどの補修が可能ですが膨れ現象の場合はほとんどが

取り替えになります。主な原因としては外壁通気工法がとられていない場合がよくあります。

通気工法とはサイデイングと躯体との間に空気の通り道を作る工法です。

空気が流れることによって内部の湿気を逃がしサイデイング基板を常に乾燥状態に保ちます。

逆に空気の流れがないと内部に湿気が溜まり結露状態になり冬場に凍結、融解を繰り返します。

その結果サイデイング基板の膨れ現象に繋がります。こうなってしまうと取り替えしか方法は

有りません。１部貼り替えでは根本的な解決にはなりませんので全面的に通気工法に変える

工事をお勧めします。現状のサイデイング材は再利用できますのでコスト的にも安価で施工

が可能だと思います。