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要補修!?外壁のクラック発生の原因とメンテナンス方法
新築で綺麗だった外壁も経年で様々な箇所に劣化が見られるようになってきます。色あせやチョーキング(白亜化)、そして外壁に発生したクラックもその一つです。これらはお住まいが教えてくれる要メンテナンスのサインですが特にクラックは外壁にひびや割れが入った状態ですからご自宅の外壁にその症状が見られて大変驚かれる方も多いと思います。
「放置してしまうと外壁がどんどん割れてしまうんじゃないか?」「外壁を張り替えるような大掛かりなリフォームが必要になるのかな?」など不安になってしまって当然です。これからも長く住むご自宅だからこそ深刻な状況になる前にその原因を知り、必要なメンテナンスをしたいですよね。
当ページではクラックが発生する理由やクラックが発生していることでお住まいがどのようなリスクにさらされているのか、また現在抱えられている心配・お悩みを安心に変えていただくためクラックレベル別の補修方法まで詳しく解説します。
目次 【表示】 【非表示】
- ・クラックとは?
- ・クラックの種類と発生の原因
- -ヘアクラック
- -構造クラック
- -開口クラックにも要注意!
- ・クラックの幅で見るクラック補修必要度チェック
- ・ご自身でクラックの調査をしてみましょう
- ・クラックが引き起こすお住まいのリスク
- ・外壁クラックの補修方法と価格の目安
- -ヘアクラックのメンテナンス
- -構造クラックのメンテナンス
- -クラック補修はDIYで補修できる?
- ・外壁にチョーキングが発生している場合はクラック補修だけでなく全面塗装もご検討ください
- ・外壁に見られる劣化状況にはどんなものがある?
- ・外壁にクラックを見つけたら街の外壁塗装やさんの無料点検をご活用ください
- ・飛び込み業者には要注意!
- ・まとめ
窯業系サイディングやモルタル外壁、ALC外壁、コンクリート。お住まいの外壁材は、紫外線や熱、雨風ときには地震など大敵ともいえる環境に日夜、晒され続けており、新築時にどんなに正しい施工が行われていたとしても劣化や傷みを免れることはできないのが現状です。
特に傷みの症状のひとつであるクラック(ひび割れ)は目に見える症状として分かりやすく、複数にわたるクラックや大きなクラックだと、我が家は大丈夫だろうか?今すぐ補修したほうが良いのかしら?と心配になる方も多いと思います。
クラックとは?
クラックとは外壁に現れたひび割れです。「ひび割れ」と聞くと大げさで怖い印象がありますよね。そもそもクラックは大きく分けて二つに分かれます。一つは幅0.3mm以下の細いクラック(ヘアクラック)、そしてもう一つはそれ以上の深いクラック(構造クラック、開口クラック)です。外壁自体に発生したひび割れは表面を覆う塗膜を破り、クラックとして表面に現れます。
このように塗膜や外壁自体に起こるひび割れ、クラックですが経年や外壁材の特性、施工工程、また地震などの外的要因と発生原因はさまざまです。慌てない、そしてお住まいの深刻な傷みを見逃さない、そのためにクラックについて種類と原因からまずはじっくりと見ていきましょう。
ヘアクラック
髪の毛(ヘア)ほどの細いクラックで、クラック幅0.3mm以下、深さ4mm以下の微細なひび割れを指します。モルタル外壁に限らず窯業系サイディングやコンクリート外壁にもみられる現象で、外壁表面だけが微細にひび割れているヘアクラックの状態であれば柱などの構造材やコンクリート内部の鉄筋の錆にも今すぐは影響しないため緊急性という点で見れば慌てる必要のないクラックです。見た目で気にならなければ急いで補修する必要もないでしょう。
写真などで記録しておけば万一クラックが大きくなった際に確認できます。
後述しますが、ヘアクラックは塗装で改善できます。住宅の塗装を検討する際には塗装業者に気になる点として伝えておくと安心です。
ヘアクラックの特徴 | 髪の毛ほどの細い外壁表面のクラック |
クラック幅 | 0.3mm以下、深さ4mm以下の微細なひび割れ |
メンテンスの必要性 | 慌てる必要のないクラック |
●ヘアクラックの原因
塗膜の経年劣化
塗膜に発生しているものであればまずは経年による塗膜の劣化が考えられます。日光や紫外線の影響を受けて劣化した塗膜が素地の膨張収縮に耐えられなくなることで塗膜に亀裂が発生します。
もし万が一、塗料の耐用年数と比較して極端に短い期間でヘアクラックが発生してしまったような場合は、施工時において塗料の乾燥時間が適切ではなかった、また素地と塗料の相性や特徴を理解しないまま(下地に弾性塗料、上塗り塗料に硬質塗料を使うようなことがあると下地の弾性による動きに硬質塗膜が追従できず表面塗膜にクラックができてしまいます。)業者が施工してしまったなど施工に原因がある可能性もあります。
●モルタルやコンクリートは乾燥収縮によるヘアクラックも
モルタルやコンクリートは水を使用した湿式工法で施工されているためクラックが多くみられる外壁材です。モルタルやコンクリートの宿命ともいえる特性で、施工の乾燥過程で水分が蒸発することなどで収縮が起こりヘアクラックを生じさせます。(乾燥クラック)乾燥が落ち着くとそれ以上は広がりません。0.3mm以下のヘアクラックであれば構造体に影響があるわけではありませんので特性だと理解してご安心ください。
構造クラック
構造に影響を及ぼす可能性の高い深刻なひび割れ(クラック)で補修が必要となるクラックです。(貫通クラックともいわれています)幅0.3mmを超える大きさのクラックは、外壁内部から外壁材そのものが割れている構造クラックである可能性が高く、ヘアクラックと比較しても緊急性の高い状態です。建物自体の強度の低下や雨水の浸入による外壁の劣化、腐食といった被害を招かないためにも専門業者に点検・メンテナンスを依頼しましょう。
構造クラックの特徴 | 構造に影響を及ぼす可能性の高い深刻なひび割れ |
クラック幅 | 幅0.3mmを超えるクラックは構造クラックの可能性 |
メンテンスの必要性 | 補修が必要となるクラック |
構造クラックは外壁表面のひび割れとは異なり、外壁内部から割れが起こってしまっている状態です。建物の構造自体が力を受けたことによりゆがみ、割れてしまっており上述した通り早急な点検・補修が必要な状態だと言えます。
原因としては微細なクラックだったものが構造クラックへと進行した、また地震や不同沈下といった外的要因などによるものです。建物の構造的欠陥とも関係があり筋交い等の不足などで建物が受ける想定以上の揺れ・歪みといった力が外壁材に働き、構造クラックを発生させることになるのです。
●開口クラックにも要注意!
構造クラック同様、建物に負担がかかり発生したクラックの一つに開口クラックがあります。その名の通り窓や扉などの開口部周辺に発生するクラックで斜め方向にひび割れが現れます。建物が受ける揺れやゆがみで外壁が上下左右にずれることによって開口部の端部分から亀裂が始まります。窓などの開口部は外壁の壁面から20mm程度突き出ているため、雨天時に雨が必ずここを通ります。そのため開口クラックは雨の影響を受けやすく、クラックから外壁内部への浸入口となり雨漏りとなるケースが多いため早急な対応が必要と言えるでしょう。
クラックの幅で見るクラック補修必要度チェック
クラックの種類や発生原因をご理解いただいても、ご自宅に見られるクラックが「すぐに補修が必要なクラック」なのか「様子を見ても問題のないクラック」なのかを判断するのは難しいことでもあります。一つの目安としてクラックの幅で補修必要度を見ていきましょう。
建物自体の構造に直接影響を及ぼさないヘアクラックであることが考えられるため緊急性は低い。ただしひび割れの進行には注意して見守りましょう。
構造クラックである可能性があります。クラックが広がり、大規模な補修になってしまう前にまずは専門業者に点検を依頼し、必要な補修について相談してみましょう。
専門業者の点検と必要な補修を行うようにしましょう。構造クラックであるため外壁表面の補修だけでなく、下地や構造部分についても点検し・必要な補修について専門業者より意見をもらうようにしましょう。
クラックがかなり進行している状態。長期間放置されていた状態であれば雨水が相当量建物内部へ浸入し、構造部分にも影響を与えている可能性があります。今すぐ改修が必要なレベルだと言えます。
ご自身でクラックの調査をしてみましょう
普段はまじまじと見ることがない外壁だと思いますが、外壁の不具合を放置してしまうと雨漏りや外壁内部の腐食などにつながってしまうリスクがあります。長く住むお住まいだからこそリスクは早期発見・早期補修が鉄則です。
ホームセンターやamazonの通販等ではクラックスケールというクラックの幅を図ることができる定規を500円程度で購入することができます。またハガキでもおおよそのクラック幅を測ることが可能です。ハガキの一枚の厚さは約0.3mmです。ハガキの厚みよりも細いひびはヘアクラックだと予測することができますね。まずは興味を持つことが被害を最小に抑えるためのリスクの早期発見につながります。
また発見したクラックに対して定期的にクラック幅を計測することで進行性のクラックなのか等把握することも可能です。大切なお住まいをご自身の手でも守るためにぜひ定期的な点検をお勧めします。
外壁は雨風や紫外線、温度差から私たちを守ってくれる盾の役割を持っています。当然外壁が健康状態にあればその役割を果たし、私たちの生活やお住まいを守ってくれますがそうでなければ外壁自体が私たちの生活を脅かすリスクとなってしまいます。特にクラックは外壁に隙間を作り、雨水の浸入を許してしまっている状態です。
このような状態が長期間放置されたままだと建物を支える構造体にまで悪影響を及ぼし、外壁材の剥離や内部構造の崩壊を招いてしまう事にもなりかねません。
室内への雨漏り
雨漏りは外壁が原因になることも珍しくはありません。例えば窓枠から雨がにじみ出てくる場合、サッシではなく窓周りの外壁の割れから雨が浸入しているケースもあります。屋根からの雨漏りは階下へ伝うことが多く分かりやすいのですが、クラックから入り込んだ雨はそのまま外壁内部を伝い思わぬ箇所から現れる場合もあるので厄介なのです。そして浸水に気が付かないままでいると以下のような被害を生むこともあります。
構造体の劣化・腐食
木造住宅であれば外壁内部の構造体は木材、鉄筋コンクリート造(RC造)であれば鉄筋が使用されています。いずれも木材や鉄にとって水分が大敵であることはご存じのことと思います。通常木造住宅であれば雨水の浸入があっても外壁材の下には防水紙があり構造部分にまで浸水することがないよう防いでくれています。しかし長期間それが続けば、水分や湿気が防水紙を傷め、劣化させてしまうことで構造体にまで水の浸入を許してしまう事になります。当然木材が長期間湿った状態で放置されればカビの発生や木材腐朽菌による腐食は避けられず、お住まいの耐久性をみるみる落としていく結果となってしまいます。
また鉄筋コンクリート造(RC造)であれば、新築時にコンクリートのアルカリ性によって守られていた鉄筋が、クラックより浸入した水分や空気によって、徐々に耐食性を失い酸化し錆(金属の腐食)を発生させてしまいます。当然鉄筋が錆び、強度を失えば建物自体の強度を下げてしまう事になります。
爆裂現象
物々しい言い方ですが「爆裂」とは外壁内部の鉄筋がさびたことで体積が増し、膨張することによって表面のコンクリートやモルタルを内部から押し出し、破壊してしまうことを言います。当然コンクリートやモルタルが剥がれた箇所から、さらに雨水が浸入することで劣化が進み、どんどん腐食を進めてしまいます。
クラックの発生原因やクラックが招くリスクまで見てきました。次にクラックのメンテナンス(補修)方法について確認していきましょう。一般的な住宅で行われるクラック補修の方法は大きく分けて3種類です。クラックの程度や状態によって適した工法は変わります。また費用はここに提示しているものに加え諸経費や足場仮設代、併せて塗装をすることが多いのでその費用も掛かります。
●外壁塗装
0.3mm以下のヘアクラックに有効です。弾性塗料を使いクラックを埋めるように塗装をします。塗装の際は外壁一面や全面を塗り替えるので面積により施工価格は変わります。
●シール充填
ヘアクラックや比較的軽度のクラックに対し行われます。亀裂をシーリングで埋める方法です。1mあたり約500~900円です。
●カット工法(Vカット・Uカット)
0.3mm以上のクラックに対し行われます。クラック部分やその周りをあらかじめカットし接着面を広げ、樹脂を充填します。1mあたり約1,500~2,000円です。
ヘアクラックのメンテナンス
塗膜のみにひびが入った0.3mm以下のヘアクラックであれば、そのまま塗装してしまっても問題ありません。微細なクラックのため塗装してしまえばクラックがあったことさえ分からなくなります。ただし今後のクラック発生のリスクを考え、弾性塗料を使用したメンテナンスをお勧めします。下塗りフィラーで埋め、さらに上塗り時に弾性塗料で表面を保護することで建物の動きに追従しながらクラックの発生を抑えることも出来ます。
弾性塗料とは、その名の通り弾性を持ち、ゴムのように伸縮する塗料です。その伸縮性のある柔軟な弾性塗料で表面を保護することで外壁に衝撃が加わったとしても、弾性塗料がその衝撃に追従して伸縮するためクラックの再発を防いでくれる役割を持ちます。モルタル外壁は特性上、クラックが発生しやすい外壁であるため塗装によってヘアクラックを補修する際には弾性塗料を使用することがお勧めです。
塗装による補修
モルタル外壁にクラックの発生は避けられませんが、筋状に複数現れたクラックが心配ということでご相談をいただきました。確認したところ、どれも細いひび(ヘアクラック)で大きな影響はないことをご説明し、塗装で補修することをご案内いたしました。
ヘアクラックは弾性塗料で対応可能です。パテのような機能を持ったフィラーで下塗りをし、クラックを埋めます。さらに中塗り、上塗りと仕上げていきます。ひびの跡はすっかり見えなくなり、外壁の色も変わったことによって見違えるようにきれいになりました。
クラックが大きくなると塗装だけでは修復できませんので、その分費用もかかってしまいます。ヘアクラックのうちに早急に対処しておくことで、最小限のコストで綺麗を維持できます。
●窯業系サイディングに弾性塗料は控えたほうがいい?
実は窯業系サイディングと弾性塗料はあまり相性が良いとは言えない組み合わせです。それは窯業系サイディングモルタルと比較しても蓄熱性が高く、内部に熱を溜め込みやすいという特性があるからなのですが、仮に窯業系サイディングの表面を弾性塗料で覆ってしまうと溜め込んだ熱が逃げ場を失い、高温によって塗膜の膨れや剥がれを引き起こしてしまいます。ご自宅の窯業系サイディングのクラック補修を塗装で行う際はきちんとした知識と経験のある業者に依頼しましょう。
構造クラックのメンテナンス
ヘアクラックと比較しても幅も奥行きも広い構造クラックでは、まず補修材がごみや汚れで剥がれ落ちないようクラックを清掃したうえで、プライマーを塗り、シーリング材(コーキング材)や樹脂モルタル、コンクリート外壁であればエポキシ樹脂を充填することで補修します。
また状態によってはグラインダーという機械でクラック面をカット(VカットやUカット)し、クラック面を広くしたうえで施工を行います。樹脂モルタルが亀裂の断面にしっかり入り込み密着するよう行われる処置です。
<構造クラック補修事例1>
シーリング材による補修
築30年を過ぎた借家のオーナー様より補修のご依頼です。外壁には深い亀裂がいくつも確認できました。地震が多い地域のためその影響も大きいと思います。亀裂にシーリングを注入し埋めていくことで補修していきます。
シーリング材は雨に濡れると接着力が弱くなってしまうため、施工はよく晴れた日を選びました。まずはクラック部分の汚れを十分ふき取り、専用ガンにてシーリングを充填していきます。使用するのは上から塗装可能な変性シリコンシーリングです。クラックの奥までしっかり入り込むよう多めに埋めていきます。
ヘラを使い、亀裂箇所をならしながら押し込みます。さらに盛り上がった部分を丁寧に取り除いていきます。
補修が完了しました。跡はほとんど分かりません。工事は1日で済みましたが完全に乾燥するまでは3日程かかります。上から塗装すればさらに跡は目立たなくなります。
<構造クラック補修事例2>
Vカット後、樹脂モルタルにて補修
二階の窓部分から雨漏りがしているということでご依頼をいただきました。現地調査にお伺いし、被害箇所である二階の窓枠部分を確認したところ、木部の窓枠が雨水によって濡れて染みを作っていることがわかりました。また窓の下の壁まで雨漏り被害が拡がり、クロスが破れている様子も確認しました。
外に出て窓回りの外壁を確認したところ、多数のクラックがあることがわかりました。ヘアクラックはもちろん、窓周辺から開口クラックが伸びていることがわかります。以前も雨漏りがあったのかご自身でクラックにシーリングを充填し、補修した形跡もありました。
基礎巾木(地面から出ている基礎の立ち上がり部分)にも大きな構造クラックがあることがわかります。コンクリートの乾燥収縮、地震などの揺れ、不同沈下の影響などが考えられますが、この状態を放置し続けてしまうとお住まいの強度自体が低下してしまうため早急なメンテナンスが必要です。
構造クラックはグラインダーでVカットしていきます。カットをする理由はこの後充填する補修材がクラックの奥まで行き届くようにするため、また補修材に厚みを持たせるためあえてクラック面を広げていきます。また基礎巾木もカットしていきます。カットの工程をお客様が見ると傷口を広げているようで心配になる方も多いと思いますが、充填する樹脂モルタルが十分な強度を持っていますのでご安心ください。
カットが完了したら、刷毛でカット部分を綺麗にしていきます。壁を削った際の粉塵やほこりがクラックに残っているためです。こうした粉塵やほこりをそのままにした状態で補修材を埋め込んでも密着せずにすぐに剥がれてきてしまう可能性があるためこうした細かな作業も徹底して行う必要があります。
綺麗に掃除が終わったら、下地材としてプライマーを塗布していきます。プライマーは接着剤のような役割を持ち、プライマーに塗り残しやムラがあると補修材の浮きや剥がれにつながってしまいます。
プライマーを塗布後に樹脂モルタルをクラックに埋めていきます。中に空洞ができないようコテを使用し、奥までしっかりと押し込んでいきます。樹脂モルタルはひび割れや欠損部分の補修に用いられ、構造クラックによって不安のある外壁や基礎の強度を補修してくれます。
基礎巾木のクラックは塗装工事後、左官仕事で仕上げるため壁面よりも少し浅く充填しています。
補修したクラック部分の下塗りです。写真で少しグレーになっている箇所がクラックの補修箇所です。この段階では塗膜から透けて補修跡が見えてしまっています。当然平面になってしまっていてモルタルのパターンもなく違和感があります。そのため既存の壁面となじませるために吹付でパターン付け(模様付け)を行います。
中塗り、上塗りで塗料を塗り重ねることで色ムラもなくなり、頑丈な塗膜になります。丸で囲んでいる部分がクラックの補修部分となります。クラックが入る前の状態の外壁に無事復旧することができました。パターン付けしたことにより周りになじみ違和感もありません。パターン付けを行わないと補修箇所だけが浮いてみて、変に目立ってしまうのです。
※基礎巾木クラックの左官仕上げ
基礎巾木のクラック補修跡の仕上げです。カットしたクラックに樹脂モルタルを壁面より少しへこみを作って充填しましたが、そのへこんでいる部分に下塗り材を塗布し、さらに既存の巾木に似た材料を塗りこみ壁面を平らにしていきます。
乾けば補修跡もほとんど目立たなくなりますし、これでお客様もクラックの心配がなくなることでしょう。
コンクリート外壁に行われるエポキシ樹脂注入とは
厚みがあるコンクリート外壁に対しては、エポキシ樹脂の注入で補修する場合があります。(ビックス工法とも言います。)注入器固定用の器具を亀裂部分に数ヶ所取り付け、周りをシーリングでふさいだ後、注入器を使いエポキシ樹脂を流し込みます。注射器のような形の器具からゴムの力でエポキシ樹脂がゆっくり充填されるので、内部の微細なひび割れにも樹脂を行き渡らせることができるのです。
クラックはDIYで補修できる?
構造クラックでも1mmにも満たないものもあるため、「この程度なら」とご自身で補修を検討されている方もいらっしゃると思います。ホームセンターなどに行けばスプレー式の補修材やシーリング材を簡単に手に入れることができます。しかしヘアクラックか構造クラックかの判断や外壁内部で起こっている重大な劣化を見落とさないなど、やはり正確な状態の把握や本当に必要な処置の判断はプロでなければ困難だと言わざるを得ません。
また、高い場所にあるクラックをご自身で補修するのは危険ですし、クラックが複数個所に渡る場合も想像以上に労力を必要とします。おまけにそれだけ労力をかけても、しっかり補修されておらずすぐにまた割れが始まったり、補修箇所だけ年々目立ってきてしまったりということは十分にありえます。もしDIYでの補修をご検討されている場合はあくまでも一時的な応急処置に留めておき、クラックが気になるようであれば専門業者に相談していただくことをお勧めします。
外壁にチョーキング(白亜化)が発生している場合は
クラック補修だけでなく全面塗装もご検討ください
ご自宅の外壁のクラックが目立ち始め、それが構造クラックであれば早急にメンテナンスが必要になります。さらに外壁を触って手に粉が付くチョーキング(白亜化)現象が出ているようであればご一緒に外壁塗装もご検討ください。
クラックを補修する際に補修跡が残らないよう、仕上げ塗装を行いますが既存塗膜との色ムラをなくせるというメリットの他にも経年で汚れや苔などが目立つ外壁の美観を取り戻せたり、チョーキングがでて防水性能が落ちた外壁の健康を取り戻すことができるチャンスでもあります。
またクラック補修で足場を仮設する必要があるのであれば、この機会に全面塗装やその他のメンテナンスを同時にしてしまうのがお得です。
新築から10年以上経過している、前回の塗装の耐用年数に迫ってきているという方は外壁全体を見直すチャンスととらえて塗装も検討してみましょう。
外壁に見られる劣化状況にはどんなものがある?
外壁に見られる劣化症状はクラックだけではありません。ここでは注意したい外壁劣化のサインについてご説明します。こんな症状があったら、塗装や補修をご検討ください。
色褪せ
ツヤがあり光沢感のあった外壁が紫外線に晒され続けることで塗膜を守る樹脂が劣化し、顔料に影響を与え発生するのが色褪せです。
・色褪せしやすい色、しにくい色について
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チョーキング(白亜化)
樹脂に覆われていた顔料が露出し、劣化することで発生。外壁に手を触れると顔料が手に付着します。白亜化現象とも呼ばれ白い粉がつくことが多いが、塗料によっては塗られていた色そのものが付着することもあります。
・チョーキングについて詳しくはこちら>>
塗膜の剥がれ
塗膜の剥がれは塗料の耐用年数が過ぎたことでも発生しますが、塗料の乾燥時間や下地処理、塗料の選定、下塗り作業の手抜きといった施工不良、またそもそも塗装ができない外壁材に塗装をしてしまったという原因も考えられます。
・塗料の乾燥時間について詳しくはこちら>>
・塗装の仕上がりを左右する
「ケレン作業」について詳しくはこちら>>
・塗装が難しい外壁や屋根について
詳しくはこちら>>
反りや浮き
窯業系サイディングの経年劣化として発生するものとして反りや浮きがあります。反りから始まり、その反りが大きくなってきてしまうと目地のシーリングが剥がれ、浮いてしまうといった現象も起こります。
・窯業系サイディングの反りや浮き等の
補修について詳しくはこちら>>
・窯業系サイディングの詳細は
こちらもご覧ください>>
目地(シーリング部分)の劣化
外壁材自体の劣化ではありませんが、外壁のメンテナンスとは切っても切り離せません。経年劣化による硬化や痩せからひび割れや剥がれなどの劣化へとつながります。外壁内部への雨水の浸入を防ぐため定期的なメンテナンスが必須です。
・シーリング補修については詳しくはこちら>>
錆
トタン外壁や金属サイディングなど金属製の外壁材で発生する劣化です。錆は金属が腐食していることを意味しており、放置しておくと穴が空いてしまうといったことにもつながってしまいます。
・金属サイディングのメンテナンス方法について 詳しくはこちら>>
・トタン外壁のメンテナンスについて
詳しくはこちら>>
クラックは外壁の傷みの中でも大変目立つSOSのサインです。緊急性を要さないヘアクラック、補修が必要な構造クラックと種類はありますが、外壁とお住まいを守るために、正確な点検と見極める目が必要となります。深刻な被害に発展する前に、塗膜や外壁内部で起こっているであろう劣化の状態を把握する必要があるのです。
塗装や軽度のシーリング補修のみで対応できていたはずのクラックを見過ごしたせいで、それが引き金となり、外壁の剥離や雨漏り・内部の腐食につながってしまうと補修の規模も大きくなってしまいます。何より、大切なお住まいですから、こまめにメンテナンスをして長く安全に暮らしたいですね。
街の外壁塗装やさんは外壁のプロとして正確な状態をお伝えしたうえで適切なメンテナンスのご提案をさせていただきます。お住まいのクラックについてご不安がある方はぜひ街の外壁塗装やさんの無料点検をご利用ください。
飛び込み業者には要注意!
クラックは目立つが故に訪問販売業者が飛び込み営業の際に目を付けるポイントです。確かにクラックは放置をすることで大きな被害を招く恐れもあるため、説明を受けることで、納得し、工事を依頼しなくてはという気持ちになってしまうかもしれません。ただしクラックは大きな被害を招く恐れがあるからこそ、技術と経験を持った業者に依頼するようにしましょう。
訪問業者に説明を受けてもすぐには契約せず、複数社に見積もりを取って施工内容や見積もり内容、担当者の対応などを比べると安心です。街の外壁塗装やさんは相見積もりも大歓迎です。ご不明な点や心配な点がございましたらお気軽にご質問ください。
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クラックとは外壁に現れたひび割れを指し、大きく分けてヘアクラックと構造クラックがあります。
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ヘアクラックとは0.3mm以下の髪の毛ほどの細いクラックを言います。
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ヘアクラックは構造に影響を与えないため緊急性という点でみれば慌てる必要のないクラックです。
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ヘアクラックは塗膜の劣化やモルタルやコンクリートの施工時の収縮によって発生します。
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0.3mm以上のクラックは構造クラック(お住まいの構造に影響を及ぼすクラック)である可能性が高いです。
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窓や扉周辺で発生する開口クラックは雨水の浸入を許す可能性が高いクラックです。
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ご自身でもクラックスケールやハガキを用いて、クラックの幅を測ることができます。定期的な点検をお勧めします。
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クラックが原因の雨漏りでは構造体の腐食やコンクリートやモルタルの爆裂などお住まいに深刻な影響を及ぼす可能性があります。
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モルタル外壁の0.3mm以下のヘアクラックを塗装で補修する場合は弾性塗料がお勧めです。
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幅の広い構造クラックの補修ではクラックをカット(Vカット・Uカット)したうえで補修するケースがあります。
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ヘアクラック程度であればDIYでも補修可能なケースもあるが、正確なクラックの状態を把握するために専門業者の点検を受けることをお勧めします。
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外壁にチョーキング(白亜化)が出ている場合はクラック補修と併せて外壁塗装もお勧めします。
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クラックは飛び込み業者から餌食となるケースも。技術や経験を持った信頼できる業者に補修をお願いするようにしましょう。